厳冬期 白山加賀禅定道滑降 単独ワンデイ    戻る


メンバー 僕


2015年1月25日

一里野スキー場0:00〜ゲレンデトップ0:52〜しかり場分岐3:02〜奥長倉山鞍部5:30〜美女坂の頭6:50〜四塚山9:10〜白山山頂10:36〜10:47〜油池12:00〜美女坂の頭13:07〜
しかり場分岐14:21〜一里野スキー場15:17


白峰からの厳冬期白山ワンデイは、最近体力ある若者達が達成している。だが加賀禅定道ワンデイは誰も達成してないはず、体力だけでは絶対に行けないルートです。今持っている体力、気力、技術を全て使い単独でワンデイしてきた。

気合を入れて一里野スキーに向かうと雷が鳴り雨が降りだした。勘弁してほしい。スキー場に着くとみぞれだった。これなら大丈夫、予定通り0:00にスキー場を出発した。久しぶりの暗闇単独、やっぱり寂しいな…。すこし標高が上がると雪になった。お喋り相手もいないので黙々と進む、1時間かからずに山頂駅に着いた。ここからゲレンデ外、GPSでルートを確認した。加賀禅定道の尾根はアップダウンが多くてすごく厄介なルートです。
しかり場分岐までに檜倉の巻があるが、意外と簡単だった。この辺りから風雪が強くなり視界がほとんどない。ビッグデイでこんな天気は初めてです。何とか3時間程でしかり場分岐に到着、ここから奥長倉山まで巻の連続となる。

このルート工作次第で山行時間が大きく変わってくる、しかし急斜面で苦労の連続、なかなか進まない。どうしても進めずにアップダウンも作ってしまったがシールを使うほどでもない。暗闇の中やっと奥長倉山鞍部に着き巻が終了。2時間半もかかった。ここで防寒対策をする、そして美女坂の急登に取り付く。この坂ヤセ尾根で丸石谷側には雪庇が発達しているし、目附谷側は雪崩の危険がある。慎重に登るが視界が無いから緊張の連続でした。頭に着くころにやっと明るくなるが台地に
上がると完全ホワイトアウト、ラッセルから解放されたが勘弁してください。本当に晴れるのですか。だが行くしかない、この台地も巨大雪庇が発達している。視界が無いからGPSで慎重に進む、雪庇を踏み抜いたら終わりだ。

ストレスのかかる行進だが2000mを越えたら突然空が抜け快晴だ。白山の神様が迎えてくれたのか。しぼんでいた気合が入ってきた。百四丈滝方面も見えだした、よく見ると雪で埋もれて滝がなかった。目の前には四塚山と清浄ヶ原が真っ白でとてもきれい。厳冬期のこの姿を見たかったのだ。この先天池は巻けたが、その奥のピークは雪崩が怖くて直登した。単独だから安全第一です。油池から長い登りだ、もうだいぶん疲れてきたが気合が入っているから大丈夫、ガンガン登る。
振り返ると登ってきた尾根が見える、これも見たかった景色だ。時折強風が吹くが頑張って四塚山に着いた、時刻は9:10、もう白山に行くしかないでしょう。しかし辛い。

七倉山から一旦御手水鉢に下り山頂に向けて登りが始まる、もう後戻りできない。クトーを付け氷化した斜面に取り付く、大汝峰のトラバースに差し掛かると風が一段と強くなる、足も痛くなってきた、トラバースは足に負担がかかるんです。
トラバースが終わると山頂の御前峰が見えてきた、もう気力だけだ。集中力を切らさずに行く。スリップしたら止まらないだろう。御宝庫の岩峰の脇を進み山頂に登り上げた、風は強いが絶景です。10時間36分、耐え抜いて頑張りました、白峰から来るよりハードでした。写真撮ったら滑降準備、今回は2回シールで登り返しがあるから雪を付けないよう慎重に剥がした。

今日も山頂から滑降、あっという間に御手水鉢に到着、ここでシールを貼り七倉山へ登り一旦下り四塚山まで行く。単独だからトラバースはしない。さあ長坂のダイナミック尾根の滑降です、頑張って良かった、本当にうれしいです。至福の時間も一瞬で終わり、またシールを貼って登り返す。これで最後だ。天池でシールを剥がし一気に奥長倉山鞍部まで滑り込んだ。そしてルート工作した巻に入る。しかし頑張って作ったルートが雪で埋まり帰りもラッセル、人生甘くない。
それでも口長倉から先は後続が使ってくれて助かった。カニ歩きの場所は苦痛だったが何とかスキー場に着いた、そしてゲレンデを滑って駐車場に着き山行終了。15時間17分完全燃焼でした。山スキー最高。

ホワイトアウトから突然空が抜けた。

台地の雪庇、怖いですね。

百四丈滝は厳冬期は消えてます。

厳冬期のこの姿を見たかった。神々しい。

長坂の登り。

モンスターも出現。

厳冬期の禅定道。

四塚山山頂、白山に行くしかないだろう。

厳しい環境です。

山頂が見えてきた。

山頂のシンボル、御宝庫。

着きました、今月2回目。やったぜ!

楽しみの滑降、貸切です。

美女坂のヤセ尾根。